あなたにしかなれない教師像がある
「自分は教師に向いていないのではないか」
若手の頃、私は何度もそう思いました。
授業がうまくいかない。
学級経営もうまくいかない。
丸付けにさえ時間がかかる。
周りの先生はすごい人ばかりに見える。
「自分はこんなにできなくて大丈夫なのか」
そう不安になる若手教員は、実はとても多いと思います。
私も同じでした。
それでも教師として10年間働く中で、今ははっきりと感じていることがあります。
教師には「正解の教師像」はありません。
そして、あなたにしかなれない教師像があります。
若手教員ほど「自分はダメだ」と思いやすい
教師という仕事は、毎日が評価の連続です。
授業がうまくいったか。
子どもが理解できたか。
クラスは落ち着いているか。
周りの先生の授業を見ると、
「自分とはレベルが違う」と感じることもあります。
もはや何ができていて何ができていない…どころか、
できていることは何なのかすら、わからなくなることもあります。
特に若手のうちは、
- 授業がうまい先生
- 学級経営がうまい先生
- 仕事が早い先生
そういう先生ばかりが目に入ります。
そして気づかないうちに、こう思ってしまいます。
「自分は教師に向いていないのではないか」
教師に“正解の教師像”は存在しない
しかし、10年教師を続けてきて思うのはこれです。
教師に、たった一つの正解はありません。
学校にはいろいろな教師がいます。
- 勉強を教えるのがとても上手な先生
- スポーツが得意な先生
- いつも正論を言う先生
その一方で、
- 少しドジで抜けている先生
- なぜか子どもに好かれる先生
- 一緒にいると安心する先生
そんな先生もいます。
教師は、みんな違います。
子どもはさまざまな教師から学んでいる
子どもは、教師のすべてを見ています。
授業だけではありません。
- 話し方
- 人との接し方
- 困ったときの姿
- 失敗したときの姿
そうした姿から、子どもは人としてのモデルを学びます。
学校教育の目的の一つは、人格の形成です。
子どもは、さまざまな大人と出会う中で
「こういう人になりたい」と思えるモデルを見つけていきます。
教師という存在は、親や家族の次に身近な大人です。
だからこそ、子どもにとって
人としてのモデルになり得る存在なのだと思います。
あなたにしか示せない教師像がある
あなたがどれだけ
「自分はダメだ」
「教師に向いていない」
そう思っていたとしても、
あなたにしか示せない教師像があります。
例えばこんな教師です。
- いつも明るくご機嫌な先生
- 自分の失敗談を話してくれる先生
- 物静かだけど温かい先生
- 目立たない子に気づいてくれる先生
- 不器用だけど一生懸命な先生
- 失敗したときに、誠実に謝れる先生
授業がうまいこと。
仕事が早いこと。
もちろんそれは大切です。
でも、それがすべてではありません。
教師という仕事は「種を育てる仕事」
教育はよく、こう例えられます。
「種を育てる仕事」
いつ芽が出るのかは分からない。
それでも、
- 畑を耕す
- 水をやる
- 草を抜く
そうやって育て続ける仕事です。
教師も同じです。
子どもと語り合い、
一緒に悩み、
一緒に歩いていく。
そうした日々の中で、子どもの心に種がまかれます。
その芽が出るのは、今かもしれないし、
数年後かもしれません。
もしかすると、十年後かもしれません。
それでも私は信じています。
あなたが教師として子どもと向き合った時間は、
きっと子どもの中に根を張り、
いつか大きな木へと育っていくはずです。
そしてその木は、
あなたにしか育てられないものです。
あなたがもし「自分はだめだ」と思ってしまうということは、
世の中に「だめな人がいる」ことを許してしまうこと。
「だめな人」なんていない。あなたは、あなたのままでいい。
今、自分を磨き、その身を削っているからこそ苦しいのです。
あなたは、あなたのままでいい。
ぜひ、あなたにしか示せない教師像を見つけてください。

