小学校就学までに育てたい力⑴ ― 体力・気力は食事から

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🍭 好き嫌いは味覚の発達のサイン

「小さい頃はなんでもパクパク食べていたのに、最近好き嫌いが出てきた」――そんな経験はありませんか?
特に甘いものやおやつを食べ始めた頃から、子どもなりに「好き・苦手」など味覚に順番がついてくるようです。

保育園から帰ってきてお腹がぺこぺこの時、口にする食べ物は格別に美味しく感じられるはず。
その瞬間に菓子パンを食べれば、それが「一番美味しいもの」として記憶されるのも当然です。

🥕 忙しい食事時、慌てずに味覚を育てる7つの工夫

  1. 冷蔵庫に作り置きの食材を用意しておく(サッと出せるように)
  2. 味付けは薄めにする(食材の味がわかる)
  3. お腹ぺこぺこの時に、好きになって欲しいな食材や新鮮な野菜を出す。(じゃがいもやかぼちゃのソテーなどは手早くできる一品!サッと出せる。
  4. 子どもと一緒に料理をしたり、食事の準備を手伝ってもらう。
  5. みんなで食べる(ひとりで食べさせない)
  6. 旬の食材を味わう(一番美味しい季節があることを話題にもできる)
  7. 盛り付けは8分目で(少なめがちょうど良い)

🍅 実践のヒント

  • 帰宅後すぐに冷蔵庫からトマトを出すと、腹ペコたちはすぐにかじり出してた。我が家では幼少期のこの体験のおかげで、今でもトマトが大好物です。
  • 苦手なものを克服するなら「空腹時」「おやつの前」がおすすめ。ただし、この作戦、メニューが続くと子どもに見破られてしまうので色々内容を変え工夫してね。
  • 「大人も一緒に食べる」ことが大事。大人が携帯に夢中になっていては効果が半減します。
  • 量は少なめに。「もうちょっと欲しかった!」くらいが丁度良いのです。(「おかわり」と言われて嬉しくなって、持っていったら、「もうお腹いっぱいだからいらない」と言われた経験もあります。子どもは胃も小さいので食べてからの満腹感も早いのでしょう
  • 区切りをつけて食事の時間を切り上げる   ダラダラと食べるより「今日はもうこれでおしまい!」と区切りをつけることが、好き嫌いや少食を改善するコツかもしれません。
  • 適度な運動が必須です。  動いた後はお腹も減る。でも、食べてばかりではお腹もすきません。少食だと嘆く前に、しっかり体を動かしてお腹をすかせる時間を作っているか点検しましょう。

🍙 食卓を楽しい体験に

食卓が楽しい時間になることが、何より大切です。(料理をしてる感じで楽しい)

  • ご飯を一口大にして海苔で巻く・手巻き寿司(各自がお箸や取り箸を使うなどマナーの習得になります)
  • レタスでお肉を巻く(食材の組み合わせも楽しめます)
  • オープンサンドを自分で作る(切り目を入れたロールパンに具を挟む工夫もでき、手指操作も巧みになります。)
  • 食事を通して、会話が弾むことが一番です。「海苔取りすぎだよ」と言うのさえ、人数と材料を比べ、適量を考えることにもつながります。うまくできた時は褒めることも大切)

こうした工夫は「食べる」だけでなく、手指の器用さや会話のきっかけにもつながります。マナーや道具の使い方を伝える機会にもなります。

💡 親御さんへのメッセージ

子どもに「食べなさい!」と叱るより、一緒に「おいしいね」と笑顔で食べることが最高の栄養です。

少食の子どもに、食べて欲しいあまりにたくさんの量を盛り付けるのは逆効果です。むしろ「もっと欲しかったなぁ」の感覚が大事です。「おかわり」と言ったものの、おかわりが届いた頃には満腹になっていて、「残してしまう」これはNGです。食事をいい加減なものに理解してしまいかねません。

「腹8分目」「少なめに盛る」「小さなお茶碗で」がベストです。その方が食べる気力を生みますよ。
食卓は体力や気力だけでなく、心の安定や親子の絆を育む場でもあります。

上のような場面で、どんな声をかけますか?

※「トマトも巻き寿司もお浸しも取り皿に取って、みんなで分けっこしてね」→「取り皿を準備してくれますか?」・・・お手伝いにも、取り分けるなどの体験にもなりますよ。自分の行為が誰かの役に立ったり、気持ちよい食事時間を演出することになる自覚を育てましょう。

※お箸のマナー知ってますか?・・・・よくないお箸の使い方があることも教えてあげましょう。親子で理由を考えてみると珍回答も出たりして印象に残り、良いマナーに繋がりそうです。

⚫︎刺し箸:料理に箸を突き刺して食べること

⚫︎こじ箸:料理の中をかき回して好きなものを探し出すこと。

⚫︎ねぶり箸:箸の先を舐めること。

⚫︎渡し箸:食事中に食器の上に箸を渡して置くこと。

⚫︎たて箸(仏箸):ご飯に箸を突き刺して立てること。

⚫︎箸渡し(拾い箸):箸から箸へと直接料理を受け渡しすること。

⚫︎くわえ箸:箸を口にくわえたまま、手で食器を持ったり、他の作業をしたりする」行為。

⚫︎寄せ箸:箸で器を引き寄せること。器や卓を傷つける可能性があるため。

⚫︎叩き箸:箸で器を叩くこと。

⚫︎指し箸:箸先で人や物を指すこと。無意識のでやってしまいがちなので気をつけましょう。

⚫︎移り箸:一度箸をつけた料理から、別の料理に箸を移すこと。

⚫︎振り上げ箸:食事中に話をしながら箸を放りあげること。会話に夢中になりすぎぬよう注意。

⚫︎迷い箸:どの料理を食べようか迷い、箸を料理の上で動かすこと。

⚫︎もぎ箸:箸についたご飯粒などを口でもぎ取るように食べること。行儀が悪いとされている。

⚫︎押し込み箸:料理を箸で口の中に深く押し込むこと。

みんなで食事のマナーについて考えるきっかけになればいいですね。

🌸 次のステップ


  • この「食事」の記事をシリーズ⑴に。さらに「生活習慣(睡眠・排泄・身支度など)」「言葉の力」「社会性」「遊びから育つ学び」などへ続けていく予定です。

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